サラセンの扉

侵入者たちから逃れるために この大きな岩の後ろに隠れ 身を寄せ合っていた人たちの ことを思いながら 水の流れに沿って進む 水から突き出した石が 僕を嘲笑うかのように グラグラしたり ツルツルしたりして 行く手を遮る 進むことも 引き返すことも できそうにない さあ どうする 諦めて 水に入ってしまおうか もう少し 突き出した石と 遊んでいようか あっ